【経営コラム】緊急時の経営対応策!

(毎週月曜日配信)経営編
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司

…資金余力を持って静まるまで待つ!
コントロールできない事にはできるだけ適合する!

コロナ肺炎は経済にも大きなダメージをもたらすことでしょう。これは間違えない事実です。政府の対応に対しても、言いたいことは山ほどあるはずです。それでも、今経営者がやるべきことは、今をどう乗り切るかの対応策を練って行動することです。
他者や必然への不平や不満は、すべてが落ち着いたときにゆっくり大声でぶちまけましょう。

■緊急時に経営者が取り組む事項は…

●1.できるだけ備えることです。

有事が発生した後にできる備えはその選択肢が限られています。
それでも、資金を可能な限りかき集めましょう。セーフティーネットも発動されています。緊急時の融資枠や保証枠を最大限活用して、可能な限りの資金調達を行いましょう。

●2.身を低くしてかがみましょう。

吹き荒れる大風や大波をできるだけ被らないように、身を低くして小さくなりましょう。そして、吹き荒れる防風からできるだけ身を守りましょう。間違えても立ち向かってはいけません。

■経営の対象には『コントロールできる事』『頑張ればコントロールできる事』『コントロールできない事』の三つがあります。そして、経営を安定・成長させるためには、

◆1:コントロールできる事を完全にコントロールする事
◆2:頑張ればコントロールできる事をできるだけコントロールする事
◆3:コントロールできない事には、できるだけ適合する事

の三つが重要です。

今回は『◆3:コントロールできない事には、できるだけ適合する事』、このケースです。何とかしようと考えるのではなく、可能な限りうまく適合することを考えてください。

■コロナウイルスも想定内!

コロナウイルスのまん延を半年前に予見できた人はいないはずです。故に、コロナウイルスは想定外であるはずです。しかしながら、このような何か、経営における『まさか?』を想定できている経営者はたくさんいたはずです。この経営者にとっては、コロナウイルスも想定内の出来事にすぎません。

経営にはこれからも、度々、一定の頻度で『まさか?』が襲ってきます。この『まさか?』に対する備えは資金力や盤石な経営基盤を構築する以外に方法はありません。資金余力を持ってください。自己資金がなければ、借入を起こしてでも可能な限り手持ち資金を潤沢に維持してください。資金は経営を立て直す時間を与えてくれます。本質は、高収益な企業体を作り上げることですが。

田中英司 (GPC-Tax本部会長・ 銀行融資プランナー協会代表理事)